大地が揺れることでいのちが活性したからでしょうか。それとも破壊の威力と死の脅迫によって、わたしたちが
“有限の生”を悟ったからでしょうか。この春の花の輝きは格別です。
ここ数年、私はさまざまな素材で花をつくってきました。今年は年間をとおして「6つの花たち
− 肥後六花」を発表します。熊本市民の皆様からいただいた着物を主な材料として大切に使いながら、女性たちのさまざまなストーリーと家族の思い出をのせ、大輪の花を咲かせようと思っています。くしくも第一輪目
− 花菖蒲の制作は震災と共にスタートしました。地震の破壊力を目の当たりにし負けてしまいそうな心を奮い立たせ、創造と対峙し、活力の再生への祈りを込めました。
肥後六花とは、かつてこの熊本の地で武士たちによって大切に育てられ、学ばれ、改良され、愛でられ、引き継がれ、守られてきた立派な花たちです。熊本の精神、つまり脈々と伝わる『HIGO-PRIDE』の象徴です。
これからもつづいていく生命と精神に感謝し、共に手を取り合い、凛と咲く花たちのようにいま立ち上がりましょう。
HIGO-ROCK ! HIGO-ROCCA !
2016年 5月
今田 淳子